2月10日の報道によると、今春から日銀の総裁・副総裁が全員入れ替えとなるそうです。
- 政府は、日銀 黒田東彦 総裁(78)の後任に、東大名誉教授の植田 和男氏(71)を起用する人事を固めた
- 新総裁の任期は4月9日から5年(2028年まで)
- 現副総裁 雨宮正佳氏、若田部昌澄氏の後任の候補も固まった
雨宮氏は、どうなった…?
現在の副総裁で、後任の第一候補とされていた雨宮正佳氏は、就任を辞退
辞退の理由
雨宮氏は「黒田体制下で金融政策運営を事実上取り仕切ってきた自分は、ふさわしくない」
という理由で固辞したとのことです。
固辞…強くすすめられても固く辞退すること
日銀総裁に経済学者は初
- 経済学者出身者が日銀総裁に起用されるのは初めて
- 今まで日銀総裁には、日銀や財務省の出身者から選出されていた
- 今回のような民間出身者は、1964年~1969年に総裁に就任した 宇佐美洵氏(旧三菱銀行出身) 以来
どのような経緯で植田和男氏が選出されたのか気になるところ
植田和男氏の専門・専攻分野
- マクロ経済学
- 金融論
- 国際金融論
植田和男氏の主な経歴
西暦 | 年齢 | |
1951 | 0 | 9月20日 静岡県 牧之原市に生まれる |
1970 | 18 | (現在の)筑波大学附属駒場高校 卒業 |
1974 | 22 | 東京大学 理学部数学科卒業、東京大学 経済学部へ学士入学 |
1975 | 23 | 東京大学 経済学部卒業 同経済学部大学院入学 |
1980 | 28 | マサチューセッツ工科大学大学院 博士課程修了 |
同年 | ブリティッシュコロンビア大学経済学部 助教授 | |
1982 | 30 | 大阪大学経済学部 助教授 |
1989 | 37 | 東京大学経済学部 助教授 |
1993 | 41 | 東京大学経済学部 教授 |
1998 -2005 | 46 -53 | 日本銀行 政策委員会審議委員 |
2005 -2007 | 53 -55 | – 2007年9月 東京大学大学院経済学研究科長 |
2005 | 53 | 東京大学大学院経済学研究科 教授 |
2017 | 65 | 東京大学 名誉教授 |
同年 | 共立女子大学 教授 | |
2020- | 68 | 共立女子大学ビジネス学部ビジネス学科 教授 |
2023- | 71 | 日本銀行 総裁(予定) |
- 日本がデフレに突入する中、ゼロ金利政策の導入という重要な金利政策を理論面から支えていた
- 20年間の金融緩和政策について日本で最も精通した人物の一人
- アメリカMITで博士課程を修了したことから国際的な知名度はある
想像できること
- 国際的な知名度があることから海外の中央銀行や市場関係者との円滑なコミュニケーションが期待できる
- 現在の難しい局面で総裁を引き受けた植田氏は、男気あふれる人物に違いない
植田和男氏の本
経歴からするとなんとも固そうなイメージですが、
数ある著書の中に、こんな興味深い本も出版されています。
【大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる】という本
金融・ファイナンスのカテゴリで1位❗
植田氏は金融教育の普及に積極的な方であることが伝わって、親近感がわいてきます。
新総裁に期待する気持ちが一層高まりました。
副総裁は誰になる?
- 次の副総裁には、氷見野 良三氏(62)と内田 眞一氏(60)を起用
- 両氏が任命されれば、任期は2023年3月20日から5年
氷見野 良三(ひみの りょうぞう)氏
- 1960年 富山県出身
- 1983年 東大法学部卒
- 元金融庁長官
- ニッセイ基礎研究所エグゼクティブ・フェロー
内田 眞一氏
- 1962年生まれ
- 1986年 東大法学部卒
- 日銀の現役理事
参照元
河北オンラインWebサイト